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 近年のエレクトロニクス分野では超低消費電力、高速演算、高記録密度等の特性を持った電子デバイスが求められており、年々その要求されるスペックは上昇しています。しかしその要求に応え続けるために、これまでの電子デバイスの更なる改良(用いる材料の高性能化、デバイス構造の最適化)が行われていますが、それではいずれ物理限界という壁にぶつかってしまうのは明白です。従って、限界に到達してしまう前に次世代電子デバイス作製のためには何らかのブレイクスルーが必要となります。
 そこで次世代、次々世代の新機能電子デバイスを生み出すために、本研究グループではトポロジカル絶縁体、反強磁性ハーフメタルという新機能材料の探索を行っています。トポロジカル絶縁体は絶縁体の一種ですが、物質の表面のみ非常に移動度の高い電子が流れます。また反強磁性ハーフメタルは反強磁性(トータルでの磁化はゼロ)にもかかわらず、完全にスピン偏極した電流が流れると期待されています。その新機能材料作製のため、我々はホイスラー合金、ペロブスカイト酸化物に注目し研究を行っています。これらの新機能材料は次世代電子デバイスだけでなくその特異な現象を生かした様々な応用が期待されています。

 最近の主な研究成果は以下の通りです。

 ○反強磁性ハーフメタル・二重ペロブスカイト酸化物薄膜SrLaVMoO6の作製
 ハーフメタルCo2MnSi/ダイヤモンド半導体を用いた強磁性ショットキー接合の作製
 ○トポロジカル絶縁体・ハーフホイスラー薄膜LaPtBiの単層成長
 ○マルチフェロイック・ペロブスカイト酸化物薄膜Bi1-xBaxFeO3の作製

○ 新機能材料(反強磁性ハーフメタル, トポロジカル絶縁体)の探索