◆科目名:材料物理化学演習
     
    ◆科目区分:専門基礎科目 A
    ◆必修/選択:選択必修
    ◆授業形態:演習
    ◆単位数:1.5単位
     
    ◆開講時期:2年 後期
    ◆授業時限:火曜日 4,5時限( 14:45 〜 17:15 )
     
    ◆担当者:興戸 正純(工学研究科 材料機能工学専攻)
     5号館 537号室,Tel:789-3353 ,okido@numse.nagoya-u.ac.jp
    藤澤 敏治(難処理人工物研究センター)
     共同教育研究施設2号館 426号室,Tel:789-5863 ,fujisawa@numse.nagoya-u.ac.jp
     
    ◆問合せへの対応:事前に下記の者と電話かメールで時間を打ち合わせる。
     佐野 浩行(難処理人工物研究センター)あるいはTA
      共同教育研究施設2号館 425号室,Tel:789-5862 ,hsano@numse.nagoya-u.ac.jp
     市野 良一(工学研究科 材料機能工学専攻)あるいはTA
      5号館 539号室,Tel:789-3352 ,ichino@numse.nagoya-u.ac.jp

    ◆授業のねらいと内容:
       物理化学、材料物理化学の内容に関する演習を行うことにより、講義の内容を補填し理解を深める。


    ◆授業計画:

      ○第1週(藤澤):熱力学諸量(仕事、熱量、内部エネルギー、エンタルピー、エントロピーなど)の計算
         水の沸騰過程における熱量及び内部エネルギー変化の計算、温度差のある物質を混合したときの生成エントロピーの計算、銅を溶解するのに必要な熱量の計算、第三法則エントロピーの計算をする。

      ○第2週(藤澤):反応熱、自由エネルギー、反応平衡の計算
         グラファイトおよびダイヤモンドを酸化したときの熱量の計算、鉛の酸化反応の自由エネルギー変化の計算、単結晶シリコン育成時の気相成分の分圧計算をする。

      ○第3週(藤澤):化学反応平衡
         酸化鉄の還元を進めるための条件の計算、SO3-SO2-O2 混合ガスの平衡計算、Fe-Mn 系の活量を計算する。

      ○第4週(藤澤):相律と状態図
         種々の場合における Gibbs の相律を計算する。状態図と活量の関係を図示する。

      ○第5週(藤澤):部分モル量
         部分モル自由エネルギー変化を図より求める方法を導出する。実際に作図をして前述の方法により値を求める。

      ○第6週(藤澤):エリンガム図
         酸化物のエリンガム図を用いて、酸素分圧、CO/CO2 比 、H2/H2O 比などを求める。

      ○第7週(藤澤):三元状態図の等温断面図
         三元状態図の等温断面図を作図する。三相平衡を利用して活量を計算する。

      ○第8〜9週(興戸):析出量の計算とネルンストの式、電極電位の導出
         ファラデーの法則を用いて電流効率を考慮した析出量の計算、化学ポテンシャルからネルンストの式の導出、および様々な金属種・イオン種間における電極電位を計算する。

      ○第10週(興戸):電位−pH図と化学反応の関係
         電位−pH図から図中における化学反応を導出する。

      ○第11〜13週(興戸):電位−pH図の作図
         電極電位、平衡定数をもとに、H2O−金属系の電位−pH図の作図する。

      ○第14週(興戸):半電池とイオン濃度の計算
         既知の半電池を用いて未知の半電池中のイオン濃度を計算する。

      ○第15週:
        毎回の演習問題のレポートにて成績評価をするので、定期試験は行わない。

    ◆バックグラウンドとなる科目:
       化学基礎 II ,物理化学,材料物理化学

    ◆教科書:
       使用しない。(必要に応じてプリント資料を配布する)

    ◆参考書:
    • 金属化学入門シリーズ1 金属物理化学:編集・発行 日本金属学会(丸善)
    • Introduction to the Thermodynamics of Materials, Third Edition by David R. Gaskell, Taylor & Francis Publishers.
    • 理工系学生・エンジニアのための 改訂 電気化学 −問題とそのとき方−:増子昇・高橋雅雄 著(アグネ社)
    • 物理化学(上,下):アトキンス 著、千葉・中村 訳(東京化学同人)

    ◆成績評価の方法:
       毎回授業中に行う演習問題のレポート(100%)
      全体で55%以上のポイントを獲得した学生に単位を認定する。