◆科目名:
材料力学第2
◆科目区分:
専門基礎科目 A
◆必修/選択:
必修
◆授業形態:
講義
◆単位数:
2単位
◆開講時期:
2年 後期
◆授業時限:
木曜日 1時限( 8:45 〜 10:15 )
◆担当者:
石川 孝司(工学研究科 材料プロセス工学専攻)
5号館 249号室,Tel:789-3256 ,
ishikawa@numse.nagoya-u.ac.jp
◆問合せへの対応:
事前に電話かメールで時間を打ち合わせる。
◆授業のねらいと内容:
機械や構造物を構成する各部材は例外なくなんらかの力を受けるため、それらを設計する際には各部材に生ずる変形および抵抗力などに関して十分の知識を有し、各部材が十分の強さと適当な剛さを有するように、材料および寸法を選定しなければならない。もし外力に対する抵抗力に不十分な部分があれば機械はその部分から破壊するであろうし、また反対に過大に失すれば不必要に多くの材料を用いることになって不経済である。材料力学は機械や構造物の各部材に作用する外力の種類と大きさを想定し、これによって生ずる部材の変形および抵抗などを理論と実験の両面から考究する学問である。本授業では材料力学第1に引き続いて、材料力学のはりの変形、円管・球の変形、長柱の座屈に関する事項を講義する。知識を身につけるだけでなく、具体的問題に即して、利用し生かすことを学ぶため、毎回演習を行い多くの問題を解く。
◆授業計画:
○第1週:はりの変形,ガイダンス
はりのたわみ計算のための基礎微分方程式の導出と、(1) 積分法、(2) 面積モーメント法、(3) 簡易加算法、(4) エネルギー法の概要について説明する。問題によってどの方法が最適かを判断できるようになるには、ある程度の熟練が必要である。
○第2週:積分法によるはりの計算
はりのいろいろな拘束条件、荷重条件に対して、はりの計算の基本となる積分法による計算方法について例題を解きながら説明する。
○第3週:面積モーメント法によるたわみの計算
面積モーメント法について説明し、その解法の特徴を理解する。特に集中荷重が作用するはりのたわみの計算には有効である。
○第4週:簡易加算法によるたわみの計算
片持ちはりの公式を利用した簡易加算法を学ぶ。この方法はたわみ計算の万能薬的な簡便法で、基礎的なわずかの公式だけを記憶していれば、機械的な加算だけでほとんどのはりの計算ができる便利な方法である。
○第5週:不静定はり,連続はり
静力学的な力の釣合い式だけでは条件不足で解が求まらない不静定はりの問題解決の手法を学び、支点が3個以上ある連続はりの解き方を学ぶ。
○第6週:ひずみエネルギー
エネルギーの概念が力学の解法において有力な手段となることはすでに力学でも学んだとおりであるが、材料力学においても同じである。その基礎となるひずみエネルギーについて学ぶ
○第7週:仮想仕事の原理
力の平衡条件のエネルギー的な表現である仮想仕事の原理を説明し、全ポテンシャルエネルギー極小の原理を学ぶ。
○第8週:カスチリアーノの定理
ひずみエネルギーと力、変位の関係式であるカスチリアーノの第1および第2定理を学び、積分法等ではやっかいな問題をこの定理を使用して解く
○第9週:組み合わせはり
2種以上の異なる材料を組み合わせた部材のたわみ変形について学び、鉄筋コンクリートを例にして、そのたわみの計算手法を理解する。
○第10週:平等強さのはり
はりの長さに沿って最大応力が一定となる平等強さのはりの変形について学ぶ。これはトラックなどの板ばねとして利用されている。
○第11週:曲がりはり
外力が作用する前から曲がっている厚肉の曲がりはりの変形について学ぶ。これはクレーンなどの吊り上げ装置で物体を引っかけるワイヤ先端のフックに相当するもので、理論に裏付けられた形状をしていることを理解する。
○第12週:内圧を受ける円管の変形
ガソリンや天然ガスなどを運ぶタンクローリー車などの円筒状容器に内圧が加わった場合の変形を計算する手法を学ぶ。
○第13週:内圧を受ける球の変形
球形の容器に内圧がかかった場合の容器にかかる応力と変形について学ぶ。都市ガスの備蓄タンクはその例である。
○第14週:長柱の座屈
細長い棒に圧縮力を作用させるとき、力がある値に達すると、突然横たわみを生じてしまうことは日常良く経験することである。これを座屈とよび、その条件と変形について学ぶ。
○第15週:定期試験
筆記試験により講義内容の理解度を試験する。
教科書,参考書,ノートの持ち込み不可。
◆バックグラウンドとなる科目:
数学基礎,力学および演習,材料力学第1
◆教科書:
基礎材料力学:高橋・町田(培風館) [材料力学第1と同じ]
◆参考書:
特に定めない。
◆成績評価の方法:
講義中に行う演習またはレポート(20%)
定期試験の成績(80%)
これらの合計で55%以上のポイントを獲得した学生に単位を認定する。