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 新機能材料の開発や、異種材料の接合による新機能デバイス開発のためには、結晶構造や電子構造など様々な観点から評価・解析を行い、その物質や構造がどのような物性を持っているかを調べることが重要である。
 その中でも、新たなスピントロニクス材料やスピントロニクスデバイスの開発においては、材料/デバイス中での電子スピンの振る舞いを明らかにすることが不可欠である。
例えば、スピンデバイスの代表例としてトンネル磁気抵抗効果や非磁性体へのスピン注入を用いたものが挙げられる。それらのデバイスの特性には、強磁性体と非磁性体(金属や絶縁体)との接合界面におけるスピン分極率が大きく関わっているが、デバイスと同等の接合界面におけるスピン分極率を正確に測定する手法は確立されていない。
 また、電子スピンが重要な役割を担う物質として、反強磁性ハーフメタルやトポロジカル絶縁体といった、これまでにない概念を持った新しい物質が理論的に予測され、我々のグループでも実際に作製を行っている。このような新物質の物性を明らかにし、新たなスピントロニクスデバイスにつなげるためにも、その物質におけるスピンの振る舞いを観測、解析することが不可欠である。
 そこで我々は、スピン物性の評価・解析手法の確立と、それを用いて様々な材料/デバイスのスピン物性を明らかにすることを目的として研究を行っている。

 最近の主な研究成果は以下の通りです。

  ○超伝導接合法によるスピン分極率解析
  ○スピン・角度分解光電子分光

○ 表面・界面におけるスピン物性の評価・解析法に関する研究