炭材フィルター部における各成分の反応挙動を実機ダスト用いた還元実験により検討したところ,左図に示すような各成分の挙動が明らかになった。これにより,亜鉛回収率と鉄の再資源化を考慮に入れ,炭材フィルター部温度条件について考察したところ1273Kから1373K付近が望ましい,という知見を得た。
さらに,操業条件を見極める上で不可欠な基礎的知見として,空気や水分,塩素,フッ素等が混入したような条件を想定し,炭材フィルター通過成分について重金属コンデンサー入口までの挙動を熱力学平衡計算ソフトによりシミュレートすることにより,稼働中のパイロットプラントと相互に結果をフィードバックさせている。
なお,本研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により(財)金属系材料研究開発センター(JRCM)との共同研究で行われている「省エネルギー型金属ダスト回生技術の開発」の一環として行ったものである。